There are about 80 blueberry bushes in the garden. Most berries are still green, but some have already darkened to a ripe, purplish blue and are about to fall.
I hand over a rattan basket each and take them into the garden. I briefly explain the types of berry bush, their origin, and the best time for harvest (only just learned). I reach the closest, ripest berry and touch it with my fingers. See, if the berry is ready, it comes away naturally. The children are eager but somewhat hesitant. I place the berry, just-picked, into the elder brother’s hand. You can eat it. He looks into my eyes, face open with curiosity. I nod with smile. He looks at the berry in his palm as if it were a precious jewel and then throws it into his mouth. Smile. How sweet! he exclaims.
Next moment, they are all over the garden trying to find the treasure.
ブルーベリーガーデンへようこそ!
少しゆがんでいるものの、どっしりとした重みのある木のテーブルを、丁寧に雑巾掛けしていく。その上に、古い秤、籐かご、手書きのちらし、計算機、メモ帳 とペンを順番に並べる。少し考えたのち、順番を入れ替え、思い直してまた元に戻す。満足気にテーブルの上を見渡す。決められたところに決められたものがある。数段ある階段を降り、看板のあるところまで歩いていく。「開店」の文字が上に来るように札をひっくり返す。売店の準備は万端。後は一人目のお客様を待つばかり。
カフェピクニックのお隣にある、ブルーベリーガーデン開園初日。今年最初のブルーベリーが熟れはじめ、2本の指でそっと摘まれるのを、今か今かと待ち受けている。家族を乗せたバンが、売店の隣にある駐車場に乗り入れた。中から、子供たちが歓声を上げながら飛び出してくる。
ブルーベリーガーデンへようこそ!
少しぎこちなく微笑みながら、声をかける。
ブルーベリーガーデンには、およそ80本のブルーベリーの木が立っている。全体的にまだ青いものが多いが、中には黒々と熟れ、指を触れるだけでぽろりと落ちそうな実もある。
籐かごを手渡し、ファミリーをガーデン内に連れて行く。木の種類や、もともと生息していた場所、 収穫に適した時期などについて(ついさっき仕入れたばかりの情報ではあるのだが)、手みじかに説明する。おもむろに手を伸ばし、一番近くの枝になっているブルーベリーをつまむ。
ほら。ブルーベリーが熟していたら、さわっただけで落ちてくるでしょう?
子供たちの目がきらきらしてくる。でも、恥ずかしがってまだ手が出ない。摘んだばかりのブルーベリーを一粒、大きいほうの男の子の手のひらに載せる。
食べてみて。
男の子は、顔を輝かせながら私の目を覗き込む。
すかさず、微笑みながら頷く。
男の子は、手のひらの上にあるブルーベリーを、まるで大切な宝石か何かのように見つめ、そしてそっと口の中に放り込む。微笑が顔中に広がっていく。
甘い!
男の子が声を上げる。
あっという間に、ブルーベリーガーデンは子供たちのお宝探しの庭になる。
売店に戻ると、次の車が駐車場に入って来た。ゆっくりと微笑が浮かんでくる。
ブルーベリーガーデンへようこそ!